【事務所ブログ】☆第47回☆【税金シリーズ第5回】「家族信託」に税金はかかる?~贈与税・相続税・家賃収入の注意点~
こんにちは。司法書士の近藤です。
税金シリーズ第5回は、家族信託と税金についてお話しします。
「実家を子どもの名義にしたら、贈与税がかかるのでは?」
「家族信託をすれば、相続税は安くなるの?」
家族信託を検討する際、このような質問をいただきます。税金を考えるうえで大切なのは、財産を管理する人と、その財産から利益を受ける人を分けて確認することです。

家族信託の「3つの役割」
家族信託には、主に次の人が登場します。
- 委託者:財産の管理を託す人
- 受託者:財産を預かり、契約に従って管理する人
- 受益者:財産から生じる利益を受ける人
例えば、父が実家や賃貸物件の管理を長女に託し、その家賃を父の生活費や介護費に使う場合を考えます。このとき、父が「委託者兼受益者」、長女が「受託者」です。
不動産の登記名義が受託者である長女に変わっても、長女が財産の利益を自分のものとして受け取るとは限りません。
子どもが受託者になると贈与税がかかる?
父が委託者兼受益者で、子どもが受託者になる一般的な設計では、受託者への名義変更だけを理由に、子どもに贈与税がかかるわけではありません。
一方、子どもが対価を負担せずに受益権を取得する設計では、贈与税の課税関係が生じ得ます。契約の途中で受益者を変更する場合も確認が必要です。
「子どもに管理を任せること」と「子どもに財産の利益を渡すこと」は、別の話として考えましょう。
家族信託をすると相続税は安くなる?
家族信託をしただけで、相続税が免除されたり、不動産の評価額が自動的に下がったりするわけではありません。
例えば、父の死亡によって子どもが受益権を取得する設計では、相続税の課税関係を確認する必要があります。実際に申告や納税が必要かどうかは、ほかの財産や基礎控除なども含めて判断します。
家族信託は、財産の管理や将来の承継に備える仕組みです。節税を主目的として考える前に、誰が、いつ、何を受け取る契約なのかを整理することが大切です。

信託したアパートの家賃収入は誰が申告する?
母が受益者で、長男が受託者としてアパートを管理する場合を考えてみましょう。
一般的な受益者等課税信託では、家賃収入や必要経費は受益者である母に帰属します。申告が必要な場合は、原則として母の所得として扱います。
長男が家賃の入金口座を管理していても、それだけで長男の所得になるわけではありません。また、家賃を信託内に残しているだけで課税を先送りできるわけでもありません。
受託者は、入金や支出の記録を残し、税務申告に必要な資料を整理しておきましょう。
契約時から終了時まで確認したいこと
税金の確認が必要になるのは、契約時だけではありません。
- 受益者を変更するとき
- 信託した不動産を売却するとき
- 受益者が亡くなったとき
- 信託を終了し、残った財産を引き継ぐとき
不動産を信託する場合には、信託登記に伴う登録免許税などの費用もあります。契約書を作る段階で、管理中と終了後の流れまで検討しておくことが重要です。
よくある質問
Q. 受託者になった子どもに、必ず贈与税がかかりますか?
いいえ。管理を引き受けるだけで、当然に贈与税がかかるわけではありません。受益権を誰が取得するかなど、契約内容によって判断します。
Q. 家族信託をすれば、相続税の申告は不要になりますか?
いいえ。信託財産に関する権利も相続税の課税対象となり得ます。ほかの財産と合わせて申告の要否を確認します。
Q. 子どもが家賃を管理すれば、子どもが所得税を申告しますか?
一般的な受益者等課税信託では、家賃収入は受益者の所得として扱います。管理する人と所得が帰属する人は、必ずしも同じではありません。
こんどう事務所でお手伝いできること

当事務所では、ご家族の希望を伺い、家族信託の設計、契約書の作成、信託登記をお手伝いします。具体的な税額や申告、特例の適用については税理士と連携して確認します。
豊田市・岡崎市周辺で、親の財産管理や実家・賃貸物件の将来についてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
まとめ
家族信託では、受託者への名義変更だけで贈与税がかかるとは限りません。一方、受益権を誰が取得するかによって、贈与税や相続税の扱いは変わります。
契約時だけでなく、管理中、受益者の死亡時、信託終了時まで見据えて設計しましょう。
次回は税金シリーズ最終回。相続した実家を売却するときの税金を取り上げます。
\お気軽にお問い合わせください/
相続・遺言の無料相談はこちら
📞 0120-303-067
お知らせの最新記事
-
2026.10.05
「☆第47回☆事務所ブログ」を更新しました!
-
2026.09.29
「☆第46回☆事務所ブログ」を更新しました!
-
2026.09.29
「☆第45回☆事務所ブログ」を更新しました!