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【事務所ブログ】2026年☆第42回☆2023年4月にスタートした「所有者不明土地・建物管理制度」について解説

こんにちは 司法書士の近藤です。

お盆も明け、今日から仕事始めという方が多いのではないでしょうか。

今回は、2023年4月にスタートした「所有者不明土地・建物管理制度」について解説します。

「隣の空き地の持ち主がわからず、雑草が伸び放題で困っている」「相続で取得した土地の共有者の一人と連絡が取れない」——こうしたお悩みに対応できる新しい制度です。

 

はじめに結論から


所有者不明土地・建物管理制度は、所有者が不明またはその所在が不明な土地・建物について、利害関係人が裁判所に申し立てることで、その不動産に特化した管理人を選任してもらえる制度です。

管理人は不動産の保存・管理だけでなく、裁判所の許可を得れば売却も可能です。

従来の不在者財産管理人制度と異なり、特定の不動産だけを対象にできるため、手続きが効率的です。

 

所有者不明土地・建物管理制度とは?


この制度は、令和3年の民法改正(改正民法第264条の2〜第264条の8)により新設され、2023年(令和5年)4月1日から施行されています。

調査を尽くしても所有者またはその所在がわからない土地や建物について、裁判所が「管理人」を選任し、その管理人が不動産の管理・保存・処分を行う仕組みです。

 

この制度が使えるケース


隣地の所有者が不明で、建物の老朽化や雑草で迷惑を受けている
共有不動産の共有者の一人が所在不明で、売却や管理の同意が得られない
相続した不動産の登記名義人がすでに亡くなっており、相続人が不明
不動産を取得したいが、所有者が特定できない
公共事業や再開発にあたり、所有者不明の土地がネックになっている
従来の制度(不在者財産管理人)と何が違う?
比較項目 所有者不明土地管理制度(新制度) 不在者財産管理人制度(従来)
管理の対象 特定の不動産のみ 不在者の全財産
管理人の負担 軽い(対象が限定) 重い(全財産を管理)
所有者が全く特定できない場合 対応可能 対応不可(不在者の特定が前提)
共有不動産の場合 管理人1人で全共有持分を管理可能 不明共有者ごとに管理人が必要
申立先 地方裁判所 家庭裁判所
管理人の処分権限 裁判所の許可で売却等が可能 裁判所の許可で処分可能
新制度のもっとも大きなメリットは、「特定の不動産だけ」を対象にできる点と、所有者が全く特定できない場合にも使える点です。

 

管理人はどんな権限を持つ?


裁判所から選任された管理人は、以下の権限を持ちます。

保存行為:建物の修繕、草刈り、不法占拠者への対応など
管理行為:賃貸借契約の締結(短期)、管理委託など
処分行為:裁判所の許可を得た上での売却、取り壊しなど
つまり、管理人は裁判所の許可があれば所有者不明の不動産を売却することも可能です。これにより、塩漬けになっていた不動産の問題を解消できます。

 

誰が申し立てできる?


管理命令の申立てができるのは「利害関係人」です。具体的には以下のような方が該当します。

隣地の所有者(迷惑を受けている方)
共有不動産の他の共有者
不動産の購入を希望する方
国・地方公共団体(公共事業のため)
なお、2023年の改正により、地方公共団体の長も申立てができるようになっています。

 

申立ての手続きと費用


申立先
不動産の所在地を管轄する地方裁判所に申し立てます(家庭裁判所ではありません)。

 

申立てに必要な主な書類
申立書
所有者の調査報告書(登記情報、住民票の調査、現地調査の結果など)
不動産の登記事項証明書
利害関係を証明する資料
不動産の現況写真


費用の目安
申立手数料:収入印紙1,000円
予納金:裁判所が定める額(管理人の報酬・管理費用に充てるもの。数十万円〜が一般的)
管理人の報酬:予納金から支払われるが、不動産を売却した場合は売却代金から充当されることもある


予納金は申立人が負担しますが、不動産が売却できた場合は売却代金から回収できる可能性があります。

 

「管理不全土地・建物管理制度」との違い


同じ改正で、もうひとつ「管理不全土地・建物管理制度」(改正民法第264条の9〜第264条の14)も新設されています。

所有者不明土地管理制度:所有者が不明な場合に使う
管理不全土地管理制度:所有者は判明しているが、管理が不十分で他人に損害を与えるおそれがある場合に使う
「隣の土地の持ち主はわかっているが、草木が伸び放題で困っている」という場合は、管理不全土地管理制度の方が適しています。

 

こんどう事務所のサポート


当事務所では、所有者不明土地・建物に関する次のサポートを行っています。

所有者の調査(登記情報・戸籍・住民票等の調査)
裁判所への管理命令申立てに関するご相談
共有不動産の問題解決(共有者不明の場合の対応)
相続登記と合わせた所有者不明不動産の整理
弁護士との連携サポート(申立代理は弁護士が担当)
豊田市・岡崎市エリアで、隣地や共有不動産の所有者不明問題でお困りの方は、まずはお気軽にご相談ください。

📞0120-303-067

📩 お問い合わせフォームはこちら

https://souzoku-kondo-legal.jp/solution/contact/

 

 

まとめ


所有者不明土地・建物管理制度は2023年4月スタートの新制度
特定の不動産のみを対象にでき、従来の不在者財産管理人制度より効率的
管理人は裁判所の許可で不動産の売却も可能
利害関係人(隣地所有者・共有者等)が地方裁判所に申立て
所有者が判明している場合は「管理不全土地管理制度」を利用

よくある質問(FAQ)


Q1. 所有者不明土地管理人は誰が選任されますか?
事案に応じて、弁護士や司法書士、土地家屋調査士などの専門家が選任されるのが一般的です。申立時に候補者を推薦することも可能です。

Q2. 予納金はいくらくらいかかりますか?
裁判所や事案の内容により異なりますが、数十万円〜100万円程度が目安です。不動産を売却した場合は、売却代金から回収できることもあります。

Q3. 管理命令が出るまでどれくらいかかりますか?
事案によりますが、申立てから数ヶ月程度かかるのが一般的です。所有者の調査に時間を要する場合は、さらに長くなることもあります。

Q4. この制度で隣の空き家を取り壊してもらうことはできますか?
管理人が選任された後、裁判所の許可を得て建物を取り壊すことは制度上可能です。ただし、費用負担の問題もあるため、個別の状況に応じた判断が必要です。

➡️ 次回からは「税金シリーズ」全6回をお届けします。第1回は「相続税の基礎~基礎控除・税率・申告期限~」について解説します。

 

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