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【事務所ブログ】2026年☆第40回☆2026年2月2日にスタートした新制度、『所有不動産記録証明制度』

こんにちは 司法書士の近藤です。

いよいよ8月に入り、まだまだ暑い日が続いています。

お盆に帰省された際、「親はどこにどんな不動産を持っているんだろう」と気になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、2026年2月2日にスタートした新制度、「所有不動産記録証明制度」 について解説します。

この制度を使えば、亡くなった方が所有していた全国の不動産を一括で調べることができます。

相続登記の漏れを防ぐ強力な味方です。

 

【結論】

所有不動産記録証明制度は、登記名義人の氏名・住所をもとに、その方が所有権の登記名義人として記録されている全国の不動産を一覧にした証明書を法務局から取得できる制度です。

2026年2月2日にスタートし、手数料は窓口で1通1,600円、オンラインなら1,470円〜。

相続人も請求でき、相続登記の漏れ防止に非常に有効です。

ただし、登記情報に基づく検索のため、旧住所・旧姓で登記されている不動産が漏れる可能性がある点に注意が必要です。

 

所有不動産記録証明制度とは?どんな制度?

所有不動産記録証明制度とは、登記名義人の氏名と住所をもとに、その方が所有権の登記名義人として記録されている全国の不動産を一括で検索し、一覧にした証明書を交付してもらえる制度です(不動産登記法第119条の2)。

不動産登記法の改正により新設され、2026年(令和8年)2月2日から運用が開始されました。

これまで、被相続人がどこにどんな不動産を所有しているかを調べるには、思い当たる市区町村ごとに固定資産税の課税台帳(名寄帳)を請求する必要がありました。

転居が多い方や、遠方に不動産を持っている方の場合、全容の把握は非常に困難でした。

この制度により、全国の不動産を1通の証明書で把握できるようになったのは画期的な変化です。

 

なぜこの制度ができたのか?


所有不動産記録証明制度は、2024年4月に施行された相続登記の義務化と同じ法改正の流れで生まれた制度です。

相続登記が義務化されても、そもそも被相続人がどこに不動産を持っているかわからなければ、登記のしようがありません。

この制度は、相続人が不動産を漏れなく把握し、確実に相続登記を完了させるための環境整備として位置づけられています。

 

所有不動産記録証明書には何が記載される?


証明書には、請求した方(または被相続人)が所有権の登記名義人として記録されている不動産について、以下の情報が一覧形式で記載されます。

不動産の所在(都道府県・市区町村・地番等)

不動産の種別(土地・建物の別)

地目・構造

地積や床面積

登記名義人の氏名・住所

全国の法務局に記録されている不動産が対象なので、遠方の土地や忘れていた不動産も漏れなく把握できます。

 

誰が証明書を請求できる?


プライバシー保護の観点から、請求できる方は厳格に限定されています。

本人(所有権の登記名義人)

相続人(被相続人の不動産を調べる場合)

法定代理人(本人または相続人の法定代理人)

委任を受けた代理人(司法書士等の専門家に委任可能)

第三者が他人の所有不動産を調べることはできません。

相続人が請求する場合は、被相続人との相続関係を証明する戸籍謄本等が必要です。

 

請求方法と費用は?


請求できる場所

全国どの法務局(登記所)でも請求可能です。

被相続人の最後の住所地や不動産の所在地に関係なく、最寄りの法務局で手続きできます。

郵送での請求にも対応しています。

請求方法

窓口請求:法務局の窓口に請求書と必要書類を提出

郵送請求:請求書・必要書類・手数料分の収入印紙を郵送

オンライン請求:「登記・供託オンライン申請システム」から申請可能

手数料(検索条件1件・1通あたり)

窓口請求・郵送請求:1,600円(収入印紙で納付)

オンライン請求(郵送受取り):1,500円

オンライン請求(窓口受取り):1,470円

旧住所・旧姓で追加検索する場合は、検索条件ごとに手数料がかかります。

 

相続手続きでの4つの活用場面


活用場面① 被相続人の不動産を漏れなく把握する

「実家の土地・建物は知っているけれど、他にも不動産があるかもしれない」

——こうしたケースで、全国の不動産を一括で確認できます。

被相続人が転居を繰り返していた場合や、遠方に不動産を持っていた場合に特に有効です。

 

活用場面② 相続登記の漏れを防ぐ

相続登記は義務化されていますが、不動産の存在自体を知らなければ登記できません。

証明書を取得しておけば、登記漏れによる過料のリスクを回避できます。

 

活用場面③ 遺産分割協議の前提資料にする

遺産分割協議では、遺産の全体像を把握することが前提です。

この証明書があれば、不動産についての情報を正確に共有でき、「あとから知らない不動産が出てきた」というトラブルを防げます。

 

活用場面④ 生前の財産整理にも使える

ご本人が存命中に自分の不動産を整理する目的でも利用できます。

家族信託や遺言書の作成にあたって、不動産の全体像を確認するのに便利です。

 

注意点 ~この制度の限界とは?~


非常に便利な制度ですが、万能ではありません。以下の注意点を理解した上で利用しましょう。

旧住所・旧姓で登記されている不動産は検索に引っかからない場合がある:

証明書は登記記録上の「氏名と住所」で検索されます。

結婚前の旧姓や、以前の住所で登記されたままの不動産は一覧に出ない可能性があります。

対策として、旧住所・旧姓でも追加で証明書を請求することが重要です。


未登記の建物は対象外:

登記されていない建物(古い家屋など)はこの制度では確認できません。

固定資産税の課税台帳(名寄帳)との併用が有効です。


所有権以外の権利は対象外:

抵当権、地上権、賃借権など、所有権以外の権利で登記されているものは検索対象になりません。

 

交付まで時間がかかる場合がある:

制度開始当初は混雑が予想され、交付まで2週間程度かかる場合もあるとされています。

余裕を持って請求しましょう。


検索条件ごとに手数料がかかる:

旧姓や旧住所で追加検索すると、その分だけ手数料が加算されます。

 

従来の調査方法(名寄帳)との違いと使い分け


比較項目 所有不動産記録証明書 名寄帳(固定資産課税台帳)

調査範囲 全国一括 市区町村ごと

未登記建物 対象外 含まれる

請求先 全国どの法務局でもOK 不動産所在地の市区町村

手数料 1,470〜1,600円/件 200〜400円程度/件(自治体により異なる)

非課税の不動産 登記があれば対象 課税対象のみ記載の場合あり

もっとも確実な方法は、所有不動産記録証明書と名寄帳を併用することです。

証明書で全国の登記済み不動産を把握し、名寄帳で未登記建物を補完するのが理想的です。

 

こんどう事務所のサポート

 

当事務所では、所有不動産記録証明制度を活用した相続手続きのサポートを行っています。

所有不動産記録証明書の代理請求

旧住所・旧姓での追加調査

名寄帳との併用による漏れのない不動産調査

調査結果をもとにした相続登記の一括対応

遺産分割協議書の作成

生前対策(遺言書・家族信託)への活用提案

「親の不動産がどこにあるかわからない」「相続登記の漏れが心配」という方は、まずはお気軽にご相談ください。

📞0120-303-067

📩 お問い合わせフォームはこちら

https://souzoku-kondo-legal.jp/solution/contact/

 

まとめ


所有不動産記録証明制度は2026年2月2日にスタートした新制度

全国の不動産を一括で調べられ、証明書として取得可能(窓口1,600円・オンライン1,470円〜)

本人・相続人・代理人が請求できる

相続登記の漏れ防止、遺産分割協議の前提資料として非常に有効

旧住所・旧姓での登記漏れに注意。名寄帳との併用がもっとも確実

 

よくある質問(FAQ)

 

Q1. 所有不動産記録証明書はどこで取得できますか?
全国どの法務局(登記所)でも取得できます。不動産の所在地に関係なく、最寄りの法務局で手続き可能です。オンラインや郵送での請求にも対応しています。

Q2. 親が亡くなった場合、相続人が請求できますか?
はい、相続人であれば被相続人名義の所有不動産記録証明書を請求できます。請求時に戸籍謄本など、相続関係を証明する書類が必要です。

Q3. 名寄帳とはどう使い分ければいいですか?
所有不動産記録証明書は全国一括で登記済み不動産を調べるのに便利です。名寄帳は特定の市区町村内の不動産(未登記建物を含む)を調べるのに使います。両方を併用するのがもっとも確実な方法です。

Q4. 証明書の取得を司法書士に依頼できますか?
はい、委任状をいただければ、司法書士が代理人として請求できます。旧住所・旧姓での追加請求など、漏れのない調査を行うためにも、専門家への依頼をおすすめします。

Q5. 自分が生きている間に自分の不動産を確認するために使えますか?
はい、本人も請求できます。自分が所有する不動産の全体像を把握する目的で利用でき、遺言書の作成や家族信託の設計にも役立ちます。終活の一環としてもおすすめです。

 

➡️ 次回は、「相続土地国庫帰属制度とは?いらない土地を国に返せる制度」について解説します。相続した不要な土地を手放す方法と、申請の要件・費用をお伝えします。

 

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