【事務所ブログ】2025年☆第26回☆「家族信託をするべき事例⑧~家族への想いをかたちに残す~
こんにちは、司法書士の近藤です。
お盆休みには、久しぶりに家族が集まり、将来のことや実家のことについて話をして、「親としてできることは今のうちにしておきたい」「子どもに負担をかけずに財産を引き継ぎたい」と考え始めた方もいらっしゃるのではないでしょうか。家族信託は、特別な事情がなくても、「大切な人に迷惑をかけたくない」という想いを実現するための有効な手段です。
「家族信託をするべき事例」シリーズ、第8回は「家族への想いをかたちに残す」をテーマにお届けします。
【事例】
豊田市にお住まいのAさんご夫婦(78歳・75歳)は、築40年の戸建てに長年住み続けており、夫婦ふたりで穏やかな老後を送っています。生活費は年金と預貯金でまかなえており、大きな不安はありません。一人息子のBさん(52歳)は近所に住んでおり、買い物や通院の送迎など、日常的に親のサポートをしています。
最近、Aさんはこう感じるようになりました。「この家も自分たちがいなくなったら空き家になってしまう」「そのとき、息子が煩雑な手続きを抱えるのは避けたい」――その想いから、当事務所に家族信託のご相談にいらっしゃいました。
【解説】
今回のケースでは、Aさんを「委託者兼受益者」、息子Bさんを「受託者」とする家族信託契約を締結し、主に以下の点を設計しました:
信託財産:自宅不動産および一部の現金(預貯金)
目的:判断能力が低下した場合の円滑な資産管理、将来の実家売却と相続手続きの簡素化
内容:Bさんが自宅の修繕・管理・売却を契約に基づいて行えるようにし、両親の死亡後は、換価した資産を帰属権利者(=相続人)としてのBさんがスムーズに承継できるように設計
また、Aさんの希望により、「自宅に特別な思い入れはない。必要であれば売却して、息子の生活に役立ててほしい」という想いも明文化して契約書に反映しました。これにより、Bさんとしても「売っていいのかな」という心理的負担を軽減しつつ、実務面でもスムーズな対応が可能になりました。
この家族信託契約によって、Aさんご夫婦は「自分たちが元気なうちに準備できた」という安心感を得るとともに、Bさんも「親の意思を尊重して管理できる」という納得感を持つことができました。
【まとめ】
家族信託は、認知症対策や相続トラブルの回避だけでなく、「自分の死後、子どもが困らないようにしておきたい」「家族に手間をかけさせたくない」といった、ごく普通の親心をかたちにする制度です。
親から子へ、財産とともに安心と想いを託す——。そんな心温まる信託設計を、私たちは全力でお手伝いします。
お盆明けの今こそ、家族で将来について話し合う絶好のタイミングです。どうぞお気軽にご相談ください。
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当事務所では、家族信託・相続・遺言に関するご相談を
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