【事務所ブログ】2025年☆第25回☆「家族信託をするべき事例⑦~再婚家庭の相続トラブルを未然に防ぐ~
こんにちは、司法書士の近藤です。
近年、再婚家庭(いわゆるステップファミリー)のご相談が増えています。夫婦の一方に前婚時の子どもがいる場合、何も対策をしないと、相続の際に思わぬトラブルが発生することがあります。
「家族信託をするべき事例」シリーズ、第7回は「再婚家庭の相続トラブルを未然に防ぐ」をテーマにお届けします。
【事例】
名古屋市にお住まいのMさん(70歳)は、10年前に再婚し、現在は妻Nさん(65歳)と二人暮らしです。Mさんには前妻との間に成人した長女Oさんがいますが、Nさんとの間には子どもはいません。
Mさんは、「自分の死後、妻Nさんに安心して暮らしてもらいたいが、最終的には長女Oさんにも財産を渡したい」と考えていました。
しかし遺言だけでは、Nさんが相続した財産をどのように使うか、誰に残すかはNさんの自由です。そのため、結果的に長女Oさんに財産が渡らない可能性もあります。
【解説】
このような場合、家族信託を活用すれば、「一次承継(Mさん→妻Nさん)」と「二次承継(妻Nさん→長女Oさん)」の両方を契約で確定することができます(受益者連続型信託)。
Mさんは、自宅と預貯金を信託財産とし、Mさんを「委託者兼第一次受益者」、Nさんを「第二次受益者」、長女Oさんを「第三次受益者」とし、信頼できる親族を受託者に指定しました。
これにより、Mさんが亡くなった後はNさんが生活費や住居の利用を続けられ、Nさんの死後には、残った財産が確実に長女Oさんに引き継がれます。
この仕組みによって、Nさんの生活を守りながら、Mさんの希望どおりの財産承継が実現できました。
【まとめ】
再婚家庭では、相続人同士の利害が複雑になることが多く、遺言だけでは最終的な財産の行き先を完全にコントロールすることは困難です。
家族信託を活用すれば、残された配偶者の生活の安定と希望する最終承継先への財産移転を同時に叶えることができます。
再婚されている方、または配偶者に前婚のお子さんがいる方は、早めの対策をおすすめします。当事務所では、ご家族の状況に合わせた最適な設計をご提案いたします。
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当事務所では、家族信託・相続・遺言に関するご相談を
「初回無料」で受け付けております。
どうぞお気軽にお問い合わせください!
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