【事務所ブログ】2025年☆第12回☆「遺言を残すべき事例③:相続人同士の仲が悪いケース」
みなさん、こんにちは。
昨日は春の嵐に見舞われましたが、一転して今日は心地よい陽気に包まれていますね。
新年度が始まり、慌ただしい日々をお過ごしの方も多いことと思います。
さて、「遺言を残すべき事例」シリーズの第3回は、
「相続人同士の関係が良くないケース 」についてお話しします。
「うちは遺産がそんなにないから揉めないだろう」と思っていても、実際に揉める原因の多くは“人間関係”にあります。
相続トラブルを未然に防ぐためには、遺言の準備がとても重要です。
1. 相続人同士が対立していると、手続きが進まない
遺言がない場合、遺産分割には 相続人全員の合意が必要 です。
しかし、相続人同士の仲が悪いと、
•話し合いがまとまらない
•連絡すら取れない
•感情的な対立が先に立ってしまう
といった問題が発生し、相続手続きが進まなくなります。
例えば、以下のようなケースです。
•長男と次男の仲が険悪で、顔を合わせるのも嫌がっている
•相続に関して不信感を抱いている兄弟がいる
•兄弟姉妹のうち一人が「親の面倒を見たから多くもらいたい」と主張している
こういった状況では、相続争いに発展するリスクが非常に高くなります。
2. 遺言があれば、スムーズな相続が可能に
遺言で、「誰に、何を、どれだけ遺すか」 を明確にしておくと、相続人同士の話し合いが不要になります。
【遺言の具体例】
遺言書
私は、下記の通り遺産を分配する。
・長男○○には、自宅不動産を相続させる。
・次男○○には、預貯金のうち1,000万円を相続させる。
・それ以外の財産については、長男・次男の2人で均等に分けるものとする。
令和○年○月○日
(署名・押印)
このように遺言で明確に指定しておけば、相続人同士が直接話し合わなくても手続きを進められます。
3. 遺言が“争族”を防ぐ最大の武器になる
相続は、お金の問題ではなく「感情の問題」に発展することがよくあります。
特に、
•親との関係性
•介護や支援の有無
•財産に不動産など分けにくいものがある
などが絡むと、感情的な争いに発展しやすい のです。
そんな時、遺言があれば「親の意思」として尊重されやすく、争いを防ぐための抑止力 になります。
まとめ
✔ 相続人同士の仲が悪いと、遺産分割協議が進まない
✔ 遺言で「誰に何を渡すか」を明確にすれば、争いを防げる
✔ 感情的なトラブルを防ぐには、遺言が一番の備え
「自分が亡くなった後、家族に揉めてほしくない」
そう思う方にこそ、遺言の作成をおすすめします。
遺言は 大切な人を守るための手段 です。
「うちは特に問題ない」と思っている方も、ぜひ一度ご相談ください。
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