【事務所ブログ】2025年☆第11回☆「遺言を残すべき事例②:内縁の妻(夫)がいるケース」

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【事務所ブログ】2025年☆第11回☆「遺言を残すべき事例②:内縁の妻(夫)がいるケース」

みなさん、こんにちは。

桜も満開で、散歩中につい足を止めて見上げてしまいますね。
なんだか心がウキウキするのは……やっぱり私たちが日本人だからなんだなぁと、しみじみ感じます。

さて、前回は「子どもがいない夫婦」における遺言の重要性についてお話ししました。
今回は「内縁関係(事実婚)の夫婦」をテーマに、遺言を残すことの大切さを解説します。

1. 内縁関係の配偶者に相続権はない
法律上の「夫婦」とは、婚姻届を提出し、戸籍上で正式に結婚している関係を指します。
一方、内縁関係(事実婚)は、たとえ同居し、夫婦として生活していたとしても、法律上は「他人」とみなされます。

そのため、内縁の妻(夫)には相続権がありません。

たとえば、夫(内縁の夫)が亡くなった場合、遺言がなければ内縁の妻には一切の財産が渡らず、すべて法定相続人に相続されてしまいます。

【法定相続人の例】
夫に子どもがいる場合 → 子どもが相続

子どもがいない場合 → 存命なら夫の親、すでに他界していれば夫の兄弟姉妹

つまり、どれだけ長年連れ添っていても、内縁の妻(夫)は相続人にはなれないというのが現行の法律です。

なお、「特別縁故者」として相続財産を受け取れる場合もありますが、それはあくまで例外的なケースです。

2. 遺言があれば、財産を遺すことができる
内縁の妻(夫)に財産を遺したい場合は、遺言の作成が不可欠です。

【遺言の例】
遺言書

私は、私の全財産を内縁の妻○○(生年月日:昭和○年○月○日)に遺贈する。
令和○年○月○日
(夫の署名・押印)
ここでのポイントは、「相続」ではなく**「遺贈する」**という表現を用いること。
内縁の妻(夫)は法律上の相続人ではないため、「贈与する」形として記載します。

また、住民票の続柄を「未届の妻(夫)」にしておくと、内縁関係の証明に役立ちます。

3. 公正証書遺言を作成すると安心
自筆証書遺言でも有効ですが、公正証書遺言にしておくことで、より安心・確実です。

公正証書遺言のメリット
✔ 偽造や紛失の心配がない
✔ 家庭裁判所での検認が不要で、手続きがスムーズ
✔ 公証人が内容をチェックするため、形式的なミスがなく確実

特に内縁関係の場合、法定相続人から遺言の無効を主張されるリスクもあるため、
公正証書遺言を選ぶことで、余計なトラブルを未然に防ぐことができます。

まとめ
✅ 内縁の妻(夫)には法定相続権がない
✅ 遺言がなければ、財産はすべて法定相続人へ渡る
✅ 財産を遺したいなら、必ず「遺言」の作成を
✅ 公正証書遺言なら、より確実で安心

事実婚でも、長年支え合ってきた相手に財産を遺したいというのはごく自然な想いです。
しかし、「遺言がなければ何も残せない」という現実を知らない方も少なくありません。

どうか、大切な人を守るために。
早めに遺言の準備をしておくことをおすすめします。

遺言は 大切な人を守るための手段 です。
「うちは特に問題ない」と思っている方も、ぜひ一度ご相談ください。
 

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