「認知症になる前にやっておくべきこと」とは?

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「認知症になる前にやっておくべきこと」とは?

みなさんこんにちは。司法書士の近藤です。

さて、本日のテーマは「認知症になる前にやっておくべきこと」です。

世間ではすっかり自粛ムードが広がり、争族・認知症対策が後回しになっている感じがしますが、誰が亡くなるとか、認知症に罹患するなどは、待ったなしにやってきます。

むしろ、このような状況下で危機意識がより強まったという方も多いのではないでしょうか。

事実、WEB上においても、「遺言」「家族信託」というキーワード検索が上昇傾向にあり、注目を集めています。

認知症になる前にやっておくべきことの代表的なものとして、ポピュラーなものが「遺言」になりますが、遺言の主な役割は「自分の財産を誰に残すか」を決めておくことです。

つまり、「死亡後」の財産の帰属先の話であり、「認知症発症から死亡まで」の対策とはなりません。認知症になってしまうと、サインなどが一切できなくなる(できたとしても意味がわかっていなければダメ)ため、代わりにサインなどする人が必要となります(子や兄弟など身内であっても当然に代理権を持つものではありません。)。

通常は、成年後見人という者を裁判所に選任してもらうことになります。しかし、この成年後見制度は、特に親族の立場からは「使い勝手の悪い制度」であるとよく言われています。

例えば、親が認知症になったら施設に入る予定だが、その入所金については、親の実家を売って捻出すれば良いと考えている親族の方も多いかと思います。

しかし、親が認知症になった後は、親自身は実家を売ることはできず、「成年後見人」を選任して、成年後見人が親に代わって契約をすることになります(公正証書で予め後見人になる方を決めておく任意後見契約を締結しておけば、任意後見人が就きます。)。

この成年後見人選任の申立てには、多くの資料を集める必要があり、手続きに慣れていない方にとっては、大変な労力となります。

また、居住環境が本人の身上面に重大な影響を与えることに鑑み、自宅を売ることは「居住用不動産の処分」として、選任申立とは別に「家庭裁判所の許可」を受けなくてはなりません。

この場合の「許可」は、形式的な要件だけでなく、実質的な要件を満たすものでなければならず、ハードルが高いものとなります。例えば、不動産以外の預貯金など財産を十分にお持ちの場合、自宅を売る前にまずそれら自宅以外の財産から優先して支弁すべきだ、となるわけです。

さらに、何とか許可が出たとしても、原則として本人が死亡するまで、後見人としての業務を続けなければなりません(辞任をするには家庭裁判所の許可が必要)。

また、後見人に司法書士や弁護士などの専門職が就いた場合、専門職に対する報酬も発生します。

後見人の業務としては、例えば、家庭裁判所に対して、毎年一回の定期報告(事務報告、財産目録、収支予算書などを提出)をしたり、裁判所から報告を求められればその都度報告をすることなどです。

以上、成年後見制度は「堅い」制度であるが故に、本人の財産を守るという点においては、信頼性の高い制度であるといえますが、反面、親族からすると、柔軟性に欠ける使い勝手の悪い制度であるといえます。

「家族信託(民事信託)」を活用することで、成年後見制度の上記のデメリットを回避することができます。

「家族信託(民事信託)」の詳しい内容は次回詳しく書きたいと思います。

近藤

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