遺言執行者を付けるメリット
みなさんこんにちは。
司法書士の近藤です。
さて、本日は遺言執行者を付けるメリットについてです。
まず、遺言執行者の定義についてです。
遺言執行者とは、遺言の内容を実現するため、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有します(民法1012条1項)。また、遺言執行者がある場合には、遺贈の履行は、遺言執行者のみが行うことができます(1012条2項)。
次に、遺言執行者を付けるメリットですが、遺言の内容として、誰かに財産を渡す、つまり「遺贈」が含まれる場合、遺言執行者がいなければ、相続人全員の同意が必要となることがあります。例えば、遺言が、不動産や預貯金を相続人以外の第三者に遺贈するという内容であった場合、遺言執行者がいれば、相続人の同意を得る必要がなく、手続きがスムーズにいきます。
遺言執行者を付けるには、遺言で指名する、遺言で第三者に決めてもらう、家庭裁判所に決めてもらう、この3つの方法があります。
家庭裁判所に決めてもらうには、時間と手間がかかることを考えれば、遺言で定めておく、または、第三者に指定を委託しておくことが望ましいと言えます。
また、遺言執行者になる資格についてですが、未成年者及び破産者でないという以外には制限がなく(1009条)、受贈者(もらう人)がなることも可能なため、多くの場合、受贈者がなっています。しかし、受贈者自身が手続きを行うことで、財産をもらえない他の相続人から不満が出ることは容易に予想され、紛争が勃発するリスクが高まります。
最後に、今般の相続法改正により、いわゆる「相続させる」旨の遺言であっても、不動産登記(土地などの名義変更)が対抗要件となりました。
これまで、「相続させる」旨の遺言があれば、相続人である受贈者は、登記をする前であっても、相続債権者などに権利を主張することができました。
対抗要件とは、簡単に言いますと、例えば、遺言書を無視して、相続人が土地について、法定相続による登記を経由して、第三者に売却などしてしまった場合、受贈者は、この第三者に対して、土地の権利を主張できなくなってしまうということです。
つまり、今後は、「相続させる」旨の遺言であっても、名義変更を素早く行う必要があるのです。不動産登記は法務局に申請しますが、一般の方にとっては、他の相続手続きと比べ複雑であり、予想以上に時間がかかるものです。
以上の点からして、遺言執行者には、不動産登記を専門としている司法書士や弁護士などを選んでおくのがお勧めです。
近藤
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