家族信託・民事信託の終了 ~不動産編~

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家族信託・民事信託の終了 ~不動産編~

みなさんこんばんは。司法書士の近藤です。

さて、本日は家族信託・民事信託が終了した場合の不動産の手続きについてご説明いたします。

信託が終了すると、信託財産の中に不動産がある場合は、清算手続きの終了後、信託行為の定めに従い、残余財産帰属権利者等に引き渡すことになります。

通常の手続きとしては、受託者から残余財産帰属権利者等へ「所有権移転登記及び信託抹消登記」を同時申請することになります(不動産登記法104条1項)。

しかし、受託者自身が残余財産帰属権利者となる場合は、どのような扱いになるのでしょうか?

この点、法務省の通達等はまだ出ていませんが、下記の2つの見解に分かれると考えられます。

1、信託財産は受託者の固有財産となるため、受託者の固有の財産となった旨の登記(権利の変更登記)として扱う見解

2、受託者から残余財産帰属権利者への所有権移転登記として扱う見解

上記2の見解によると、受託者=残余財産帰属権利者となるため、同一人による実質的な単独申請となりますが、上記1の見解では、申請人として、受託者が登記権利者、「受益者」が登記義務者となります。

例えば、自益信託(委託者=受益者、贈与税回避のためこの形態が多い)で、残余財産帰属権利者を受益者の相続人の一人である受託者に指定し(遺言と同一の機能を持たせる)、信託終了事由を「当初受益者の死亡」とする場合では、受益者の相続人全員が登記義務者となるため、他の相続人から登記手続きの協力が得られない場合、他の相続人全員を被告とした登記手続請求訴訟を提起し判決をとらなければならなくなります。

この点については、いずれにしても、法務省の通達等が待たれるところです。

なお、当初委託者兼受益者の死亡を信託終了事由として信託が終了する場合、登録免許税は、所有権移転分として評価額の0.4%、信託登記抹消分として不動産個数×1,000円となります。

近藤

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