民事信託と成年後見制度の比較2
司法書士の近藤です。
新年あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
ここ最近、NHK「あさイチ」「クローズアップ現代」などのメディアでも放映され注目される「民事信託」ですが、ここ豊田市をはじめとした西三河地域においては、残念ながらまだまだ浸透しておりません。
当事務所では本年、民事信託の業務をさらに強化して、この制度を皆様により多く活用していただくため、セミナーなど普及活動にも力を入れていきたいと思っております。
さて、前回に引き続き、今回も、成年後見制度との比較(特にデメリット)を通して、民事信託の特徴(特にメリット)を挙げていきます。
前回では、成年後見制度のデメリットとして、財産が凍結されてしまう点を挙げさせていただきましたが、二つ目のデメリットとして、原則として、本人が死亡するまでランニングコストを払い続けるという金銭面の負担があります。
最近では、親族後見人の横領問題から、成年後年人として専門職(弁護士や司法書士など)が選任されるケースが多くなっており(後見人については、裁判所に選任権限があります)、この場合、少なくとも月2万~2.5万円の報酬が発生します(報酬については、財産の価額などにより裁判所が決めます)。
そして、成年後見人は一度選任されると、原則、本人が死亡するまで職務が続きます(途中で辞めるには家庭裁判所の許可が必要)。
つまり、何もなければ本人が死亡するまで、後見人の職務が続き、報酬も発生し続けることになるのです。
認知症になってからの生存期間は平均7~8年間とも言われますので、平均的に2.5万円×12ヶ月×8年間=240万円くらいがかかることになります。
この点、民事信託によれば、受託者の報酬を「無報酬」とすることも可能であり(当事者間の契約で決める)、信託組成時にコンサルティング費用、契約書作成費用、登記費用などいわゆるイニシャルコストはかかるものの、ランニングコストをかけずに済みます。
ただし、民事信託はあくまで「財産管理」の制度であり、身上監護権がないため、成年後見制度と併用することが望ましいと言えます。
豊田市・岡崎市など西三河にお住まいの方で、民事信託・家族信託をご検討の方は、一度、当事務所までお気軽にご連絡ください。
近藤
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