相続で取得が成立する?
みなさんこんにちは。
司法書士の近藤です。
さて本日は、相続後に遺産分割協議がされていない状態で、相続人の一人が一定期間占有を継続した
場合に、時効取得できるか?についてです。
結論から言うと、取得時効が成立するのはかなり困難であると言えます。
最判昭和47年9月8日では、下記のとおり判示しています。
「共同相続人の一人が、単独に相続したものと信じて疑わず、相続開始とともに相続財産を現実に占有し、その管理、使用を専行してその収益を独占し、公租公課も自己の名でその負担において納付してきており、これについて他の相続人がなんら関心をもたず、異議も述べなかつた等原判示の事情(原判決理由参照)のもとにおいては、前記相続人はその相続のときから相続財産につき単独所有者としての自主占有を取得したものというべきである。」
ポイントは「自主占有」を立証できるかどうかです。
自主占有とは「所有の意思のある占有」のことを言いますが、所有の意思の有無については、内心ではなく行為の外形によって客観的に判断されます(最判昭和45年6月18日)。
相続人の一人は通常、他に共同相続人の存在を知っているはずなので、自己の法定相続分以外については、所有の意思があるとは言えない(自主占有ではない)というわけです。
固定資産税を20年以上払ってきたから時効取得できるのでは?という問い合わせはよくありますが、自主占有であるかどうかが一番のポイントとなります。
近藤
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