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【事務所ブログ】☆第48回☆【税金シリーズ第6回】相続した実家を売ると税金はいくら?~譲渡所得・取得費・空き家の3,000万円控除~ 

こんにちは。司法書士の近藤です。

全6回でお届けしてきた税金シリーズも、今回が最終回です。テーマは、相続した実家を売却するときの税金です。

「相続税がかからなかったので、実家を売っても税金はかかりませんよね?」

実は、相続時の税金と売却時の税金は別に考える必要があります。売却前に確認したいポイントを、順番に見ていきましょう。

相続税がかからなくても、売却時に課税されることがある

相続税は、亡くなった方から財産を取得したことについて考える税金です。

一方、不動産を売却して利益が出た場合、その利益である「譲渡所得」に所得税・復興特別所得税・住民税がかかることがあります。

相続税の申告が不要だった場合でも、売却時には改めて税金を確認しましょう。

売却代金の全額に税率を掛けるわけではない

譲渡所得は、基本的に次のように計算します。

売却代金 − 取得費 − 譲渡費用 − 適用できる特別控除 = 課税対象となる譲渡所得

取得費には、購入代金や購入時の手数料などが含まれます。建物については減価償却費相当額を差し引く必要があります。

譲渡費用は、売却のために直接かかった仲介手数料などです。費用に入るかどうかは、その内容ごとに確認します。

例えば、売却代金が2,000万円、取得費が1,000万円、譲渡費用が100万円で、特別控除を使わない場合、計算上の譲渡所得は900万円です。2,000万円全額に税率を掛けるわけではありません。

相続した不動産では、親の購入時の資料が大切

相続した土地・建物の取得費と取得時期は、原則として亡くなった方から引き継ぎます。

相続時の固定資産税評価額が、そのまま売却時の取得費になるわけではありません。 また、相続後すぐに売却しても、必ず「短期譲渡所得」になるわけではありません。

次のような資料が残っていないか探してみましょう。

  • 親が購入したときの売買契約書
  • 購入代金や購入時の手数料が分かる書類
  • 建物の建築・増改築に関する資料
  • 今回の売却にかかる費用の資料

取得費が分からない場合などは、売却代金の5%を概算取得費とする方法があります。ただし、実際の取得費の資料があれば、計算結果が変わる可能性があります。古い書類も、処分する前に確認してください。

所有期間によって税率が変わる

一般的な土地・建物の譲渡所得では、売却した年の1月1日時点の所有期間で、長期か短期かを判定します。

  • 長期譲渡所得:所有期間が5年を超える場合。通常、所得税・復興特別所得税・住民税の合計税率は20.315%
  • 短期譲渡所得:所有期間が5年以下の場合。通常、合計税率は39.63%

相続では原則として親の取得時期を引き継ぐため、親が長年所有していた実家なら、相続直後に売却しても長期譲渡所得となることがあります。特例による軽減の有無は別途確認が必要です。

相続した空き家の「3,000万円控除」とは?

一定の要件を満たす相続空き家を売却した場合、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります。対象となる家屋と敷地等を取得した相続人が3人以上で、2024年1月1日以後に譲渡する場合は、控除上限が2,000万円です。

主な確認事項には、建物の建築時期、亡くなった方の居住状況、相続後の使用状況、売却代金、売却期限、耐震基準や取壊しに関する条件などがあります。老人ホーム等に入所していた場合も、一定の要件を満たせば対象となる可能性があります。

特例の対象となる売却期間は、現行制度では2027年12月31日までです。また、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ることなど、個別の期限もあります。

「空き家を売れば誰でも3,000万円控除」とは判断せず、売却方法を決める前に要件を確認しましょう。この特例を受けるには、必要書類を添えて確定申告をすることも必要です。

なお、控除するのは税額からではなく譲渡所得からです。

小規模宅地等の特例とは別の制度

前回取り上げた「小規模宅地等の特例」は、相続税を計算する際の土地の評価額に関する制度です。今回の「相続空き家の特別控除」は、不動産を売却した際の譲渡所得に関する制度です。

適用条件も異なります。小規模宅地等の特例について取得者に保有要件がある場合は、売却時期が相続税の計算に影響することもあるため、両方を確認してから進めましょう。

よくある質問

Q. 相続税を払っていなくても、実家を売ると税金がかかりますか?

はい。売却によって譲渡所得が生じれば、相続税を払っていない場合でも課税されることがあります。

Q. 相続後すぐに売ると、短期譲渡所得になりますか?

必ずしもそうではありません。原則として亡くなった方の取得時期を引き継いで判定します。

Q. 親の購入時の契約書が見つからない場合は?

取得費が分からない場合などは、売却代金の5%を概算取得費とする方法があります。まずは当時の契約書や領収書などが残っていないか確認しましょう。

Q. 空き家の特別控除で税金がゼロになるなら、申告は不要ですか?

いいえ。特例の適用を受けるには、必要書類を添えた確定申告が必要です。

こんどう事務所でお手伝いできること

当事務所では、相続人の調査、遺産分割協議書の作成、相続登記、売買に伴う登記手続きをお手伝いします。税額計算、特例の適用判断、確定申告については税理士と連携します。

豊田市・岡崎市周辺で「相続した実家を売りたい」「親の名義のままで、何から始めればよいか分からない」という方は、お気軽にご相談ください。

税金シリーズを終えて

相続では、財産を受け取るとき、贈与するとき、信託するとき、売却するときで、確認する税金が変わります。

税金だけで結論を出さず、ご本人とご家族の希望、今後の生活、必要な手続きを一緒に考えることが大切です。

全6回の税金シリーズをお読みいただき、ありがとうございました。今後も相続・遺言・家族信託に役立つ情報をお届けします。

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