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【事務所ブログ】2026年☆第33回☆『家族信託をやらない方がいいケース』~万能ではない家族信託、実務から見た正直な判断基準~

こんにちは 司法書士の近藤です。5月に入り、新緑がまぶしい季節になりました。

ゴールデンウィークにご家族が集まり、将来のことや親御さんの暮らしについて話をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

さて、前回は「家族信託にかかる費用と本当に得なのか?」というテーマで、費用面のメリット・デメリットを解説しました。

今回は、「家族信託をやらない方がいいケース」 について解説します。

家族信託は非常に優れた制度ですが、万能ではありません。

実務の中で感じる「向いていないケース」も含めて、正直にお話ししたいと思います。

 

◆ 家族信託が向いていないケース① ~信頼できる受託者がいない~ 

家族信託は、財産の管理を「受託者」に託す制度です。

受託者は通常、お子さまなどのご家族が担います。

しかし、次のような場合は注意が必要です。

・お子さまが遠方に住んでいて管理が難しい

・ご家族間の関係が良好でない

・受託者となる方に管理能力や意欲がない

信頼関係が十分でないまま家族信託を設定すると、かえってトラブルの原因になることがあります。

受託者がいないケースでは、成年後見制度や遺言など、他の制度を検討した方がよい場合もあります。

家族信託を行う場合、主に次の費用が発生します。

 

◆  家族信託が向いていないケース② ~財産が少額で構成がシンプルな場合~

家族信託には、契約書の作成費用や公正証書の手数料、不動産がある場合は信託登記費用など、一定の初期費用がかかります。

例えば、預貯金が少額で不動産もないというケースでは、家族信託を組むメリットよりも費用の負担が上回ることがあります。

このような場合は、遺言書の作成や、預貯金の管理方法の工夫(代理人届・任意後見など)で十分対応できることも多いです。

 

◆家族信託が向いていないケース③ ~すでに認知症が進行している場合~

家族信託は「契約」です。 契約である以上、委託者(財産をお持ちの方)に判断能力があることが前提となります。

すでに認知症が進行し、判断能力が失われている場合は、家族信託の契約を結ぶことはできません。

この場合は、成年後見制度を利用することになります。

「まだ大丈夫」と思っているうちに検討を始めることが大切です。

 

◆ 家族信託が向いていないケース④ ~家族間で意見がまとまらない場合~

家族信託は、ご家族の合意のもとで進めることが理想です。

受託者以外のご家族(兄弟姉妹など)が信託の内容に納得していない場合、

「なぜあの子だけが管理するのか」 「親の財産を勝手に使われるのではないか」

という不信感が生まれ、後の相続トラブルにつながる可能性があります。

家族信託を始める前に、ご家族全員で話し合いの場を設けることが重要です。

家族信託の価値は、費用だけでは測れません。

 

◆ 家族信託が向いていないケース⑤ ~税務上の優遇を期待している場合~

家族信託には、相続税の節税効果はありません。

信託を設定しても、相続税の評価額が変わるわけではないのです。

「家族信託をすれば相続税が安くなる」と誤解されている方が時折いらっしゃいますが、家族信託はあくまで「財産の管理と承継の仕組み」であり、税制上の優遇措置ではありません。

節税が主な目的であれば、生前贈与や不動産活用など、別の対策を検討する方が適切です。

 

◆ では、どう判断すればいいのか?

大切なのは、ご家庭の状況に合った制度を選ぶことです。

家族信託が合うケースもあれば、遺言や成年後見、任意後見、あるいはそれらの組み合わせが最適なケースもあります。

「家族信託をしなければいけない」ではなく、 「うちの家族にとって何がベストか」を考えることが、最も大切なスタートラインです。

専門家に相談することで、ご家庭に合った最適な方法が見えてきます。

 

◆ こんどう事務所のサポート

当事務所では、家族信託ありきのご提案はいたしません。

ご家族の状況をしっかりとヒアリングした上で、

・家族信託が適しているか

・他の制度の方がよいか

・複数の制度を組み合わせるべきか

を総合的に判断し、最適なプランをご提案しています。

「うちの場合はどうだろう?」という段階で構いません。

初回相談は無料ですので、お気軽にご相談ください。

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📩 お問い合わせフォームはこちら
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◆ まとめ

1⃣ 信頼できる受託者がいない場合は慎重に

2⃣ 財産が少額・シンプルなら他の制度で十分なことも

3⃣ 認知症が進行していると契約できない

4⃣ 家族間の合意がないとトラブルの原因になる

5⃣ 節税効果は期待できない

6⃣ 大切なのは「自分の家族に合った制度」を選ぶこと

 

➡️ 次回は、 「家族信託と遺言の使い分け」について解説します。

どちらか一方ではなく、両方を組み合わせることで、より安心な相続対策が可能になります。

具体的な事例を交えてお伝えしますので、ぜひご覧ください。

 

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