遺言執行者の職務④~特定遺贈か包括遺贈か~
みなさんこんにちは。
司法書士の近藤です。
さて、今回は包括遺贈についてです。
包括遺贈とは、遺言者が、包括の名義で、その財産の全部又は一部を処分することをいいます(民法964条)。
包括遺贈を受けた者、つまり包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有することになります(民法990条)。
特定遺贈の受遺者が積極財産のみを承継するのに対し、包括受遺者は、積極財産だけでなく消極財産(負債)も承継することに大きな違いがあります。
では、例えば、「第1条 下記不動産をAに遺贈する。第2条 その他の財産全部をBに遺贈する。」という遺言書があった場合、第1条は特定遺贈ですが、第2条は特定遺贈、包括遺贈のどちらにあたるのでしょうか?
東京地判平成10年6月26日は、「『特定財産を除く相続財産(全部)』という形で範囲を示された財産の遺贈であっても、それが積極、消極財産を包括して承継させる趣旨のものであるときは、相続分に対応すべき割合が明示されていないとしても、包括遺贈に該当するものと解するのが相当である」と判示しています。
この裁判例によると、上記事例では、Bは包括受遺者にあたり、積極財産のみならず、消極財産たる負債をも承継することになります。
なお、Bが法人で財産に不動産が含まれる場合、みなし譲渡所得課税の対象となる可能性がありますので注意が必要です。詳しくは税務署または税理士にご相談されることをお勧めします。
近藤
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