夫婦で遺言を作るときに気を付ける点は?
みなさんこんにちは。司法書士の近藤です。
さて、本日は、当事務所でよくある相談の第2弾として、
「夫婦で遺言を作るときに気を付ける点は?」というものです。
子がいない夫婦において、すべての財産を夫婦の一方に渡したいという場合、遺言を残さなければ、遺産分割協議によることになり、相続人となる相手方の兄弟姉妹全員から署名押印をもらわなければなりなくなります。また、兄弟姉妹には遺留分がないので、遺言により確実に財産を渡すことができます。
では、遺言を残すとして、夫婦それぞれが財産を持っている場合、夫婦セットで遺言書を作ることができるのでしょうか?
答えはNOです。
遺言は本人の意思が特に重要とされることから、共同でする遺言は禁止されているからです(民法975条)。
では、夫だけ遺言書を作っておいて、妻は作らなくてもいいのでしょうか?
こちらも、答えはNOです。
遺贈(=遺言により財産を無償で譲ること)は、あげる人が亡くなる以前に、もらう人が亡くなってしまうと、効力を生じません(民法994条)。
確かに、平均寿命からすると、男の方が短命となりますが、先に妻が亡くなってしまう可能性も十分あります。
その場合、先ほどの子がいない夫婦でいうと、妻の財産について、妻の兄弟姉妹全員から署名押印をもらわければ、夫は財産を取得できなくなってしまいます。
したがって、夫婦で財産をお持ちの方は、夫から妻へ、妻から夫へ、それぞれ遺言書を作っておくのがベストです。これを「夫婦相互遺言」といいます。
遺言に関するご相談は、当事務所までお気軽にどうぞ。
近藤
【参考条文】
(共同遺言の禁止)
民法第975条 遺言は、二人以上の者が同一の証書ですることができない。
(受遺者の死亡による遺贈の失効)
同法第994条 遺贈は、遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときは、その効力を生じない。
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豊田市・岡崎市・西三河地域で、相続でお悩みの方、ぜひ一度、当事務所までご相談ください。なお、当事務所では、初回相談は無料とさせていただきます。
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