家族信託・民事信託とは④ ~信託管理人とは~
みなさんこんにちは。
司法書士の近藤です。
さて、本日は「民事信託」の第4弾です。
前回は「受益者代理人」についてでしたが、本日は、「信託管理人」についてです。
「信託管理人」とは、現に受益者がいない場合に、受益者のために自己の名をもって裁判上、裁判外の行為をする権限が持つ者であり、受益者を胎児、もしくはいまだ懐胎していない子、受益者が複数予定されているが、いまだ受益者指定権者により指定されていない場合などに使われます。
実務上、信託監督人や受益者代理人に比べると、ほとんど使われておりません。
信託監督人、受益者代理人、そして「信託管理人」の三者は、受益者保護の観点から、信託行為および受益者の権利の実効性を確保するため、信託法上、定められた制度です。
家族信託・民事信託は、本人の意思に基づき、本人の財産をどのように管理、活用、処分していくかを、家族など信頼できる人(または法人など)に託す制度であり、成年後見制度などと比較すると、自由な設計が可能となっています。
成年後見制度のうち、法定後見制度では、申立の際、後見人の候補者を立てることはできるものの、最終的な後見人の選任権は裁判所にあり、財産が多額であったり、推定相続人の反対がある場合などは、専門職(司法書士・弁護士・社会保険労務士など)が後見人に選任されることが多いこと、あるいは、候補者として立てた親族が後見人に選任されたとしても、裁判所は、後見監督人を選任することもできます。また、任意後見制度では、後見人は任意後見契約で定めた受任者がなりますが、後見監督人が必ず選任されます。
これに対し、家族信託・民事信託では、信託監督人、受益者代理人、信託管理人などは原則として、任意の機関であり(例外として、裁判所により強制的に選任される場合あり)。本人の意思次第で、置かないことも可能です。
一方で、第三者機関を全く置かない場合、財産を託された受託者が横領してしまうリスクが高くなります。 家族信託・民事信託では、本人(委託者)と財産を託される者(受託者)との間の「信認関係」がその基礎にあり、より自己決定権・私的自治が尊重され、リスクを取ることも本人の意思次第ということになります。
【参考・信託法】
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