民事信託・家族信託の信託口口座の開設

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民事信託・家族信託の信託口口座の開設

みなさんこんにちは。

司法書士の近藤です。

先日、某信託銀行のお話しを聞いたところ、一年前と比べ、信託口座の開設が数倍になっているとのことでした。ただ、口座のほとんどが東京であり、東海地区ではまだまだ認知度は低いと言えます。

東海地区において、民事信託・家族信託が広まらない大きな要因の一つとして、金融機関が信託口口座に対応していないことが挙げられます。

例えば、実家だけを信託したいという話でも、税金など公租公課の支払いをどこから支払うかといった問題が起こります。税金などを受託者個人が自腹を切って払うということは、通常望まないでしょう。

では、信託口口座が作れない場合、どのように対応すれば良いのでしょうか。

そもそも、なぜ信託口口座が必要なのでしょうか?

まず、信託法上、信託財産については、分別して管理する義務があり、金銭については「その計算を明らかにする方法」で分別管理する義務があるとされています(34条)。

確かに、これまで使っていた受託者個人の通帳に、信託財産である現金を入れてしまうと、ごちゃごちゃになってしまい、結果として、計算が不明確になってしまいます。

では、信託口口座を作成しなければ、信託できないのでしょうか?

これについては、信託法上、「信託口口座を開設しなければならない」とは一言も書かれていませんので、新たに受託者の個人名義で通帳を開設して、信託契約の中で「当該口座を信託専用口座とする」としておけば、法律上は問題となりません。

しかし、受託者が亡くなった場合に受託者の相続人から信託口座を解約されてしまったり、受託者個人の財産が差押えなどされた時、信託財産が差押えられてしまうなどの問題が起こり得ます。

ただし、信託契約は有効に成立しており、当該口座にある現金が信託財産であることは間違いありませんので、受託者個人の財産として差押えられたり、受託者の相続人から解約された場合には、訴訟で争うことは十分可能であると言えます。

家族信託・民事信託のニーズは日々、確実に高まってきており、空家対策、認知症対策、家産承継対策、共有対策など、家族信託・民事信託でしか対応できないケースもありますので、この東海地域でも金融機関が、早期に、信託口口座の開設に対応していただけることを望むばかりです。

近藤

¤¤¤¤¤¤¤¤¤¤¤¤¤¤¤¤¤¤¤¤¤¤¤¤¤¤¤¤¤¤ 豊田市・岡崎市・西三河地域で、相続でお悩みの方、ぜひ一度、当事務所までご相談ください。 当事務所では、初回相談は無料とさせていただきます。お気軽にご相談ください。

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